新選組へ ~ 連理之枝 ~
【近藤】

新しい仲間を連れ、屯所に戻ると

皆から、笑顔が消えていた

愛想笑いでの

紹介や挨拶をそこそこにし

古株を集めた

理由は、わかっている



「誠は、どこだ?」



「何があった!?」



「黙っていては、わからん!!」




誰も喋ろうとしなかった




「歳!!誠は、どこだ!?」




長い沈黙のあと




「すみません
新選組を守る為に、自ら幕府へ戻りました
引き留めることは、出来ませんでした
3日前の夜、ここを出ました
近藤さん達に、会えず、残念そうでした
申し訳ありません」


まるで、自分の責任だと言うように
山南君が深々と、頭を下げた


「生きているなら、また会える!
脅かさないでくれ!!
案外早い時期に、慶喜様の気まぐれで
こちらに戻るやもしれん!!
暗くなるな!!
誠が心配するぞ!!
活躍し、新選組の名が耳に入るように
頑張らねばならん!!はっはっはっ!!」

沖「そうですね」

藤「会いたかったなぁ」

永「誠におみやげ買ったのになぁ」

原「食い物か?」

斎「局長の仰る通りだ!会える!」

山「そうですね!生きていれば!!」


「そうとも!!会えるさ!!
おみやげもその時でいいさ!!」



その場を解散とした


歳は、一言も話さなかった

眉間に皺を作り

腕組みをしたままだった

誠がいなくなって

相当こたえているのだろう





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