新選組へ ~ 連理之枝 ~
「歳、いいか?」

「ああ」


久しぶりの歳の部屋

誠が出たのは、3日前の夜だったよな?


「散らかってるな?誠に怒られるぞ?」

「戻ってこねぇよ」


吐き捨てるように言った


「歳…お前が1番近くにいたからな
誰よりも辛いだろう
しかし、お前がそんな風にしていたら
誠が帰って来ても、出て行くぞ!?」

「だから…もう、ここには戻らねぇ!!」

「俺は、そうは思わん!!
新選組の為を思うなら、帰ってくる!!
俺は、誠がそういう人間だと思っている
誠は、家族なんだ!!
ちょっと奉公に出ているだけだ!!
すぐ帰ってくると思え!!」

「寝れねぇんだよ
誠がいねぇと
仕事もはかどらねぇ
一言、行くなと言ってやれなかった
後悔してんだ
誠を抱きしめてやらなかったとか
何も持たせなかったとか
一月に一度でいいから、こっちに来る約束とか
何でもよかったのに
何も言ってやれなかったんだ…
かっちゃんがいたら、誠は
出て行かなかったかもしれねぇ」


こんな、弱気な歳を見たことはない


「明日、江戸から帰ったと報告に行く!
会えないだろうが、誰でも構わん!!
一言、言ってくる!」

「かっちゃん…」

「誠が今の歳を見たら、がっかりするだろうから、歳は連れて行かん!!
辛いのは、歳だけではない!!
誠だって、辛いんだ!!
歳は、いい歳だが、誠は子供だ!!
誠が頑張っているのに!なんて座間だ!
無駄に歳をとったのか?」


はっきり自分でもわかる

言い過ぎだ

傷口に塩を塗っている

わかるか?歳?

お前は、3日前まで一緒にいれた

俺は、今日会えることを楽しみに

江戸で頑張った!!

誠が出迎えてくれる姿を想像して…

「うっく…まことぉ…」

「げっ!!かっちゃん!!泣くなって!」


歳に励まされた


「目が腫れて、誠に笑われるぞ?」


誠ときくと、気持ちがシャキッとする



「そうだな!笑顔で会うんだ!!」



歳にも本音は、言わなかった


明日、誠を取り戻す!!





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