新選組へ ~ 連理之枝 ~
昭徳様と昭則様の輿が、先に行き

慶喜様と誠が乗った輿を、俺達と佐々木殿で警護しながら黒谷へ向け出発した


御所を少し過ぎた辺りで


先を行く輿が角を曲がる


佐「夏弥、良いぞ」


佐々木殿の掛け声で、輿から誠が出る


誠「行ってくる」

慶「気をつけろよ」


軽々と御所の塀に上がる


不可解過ぎる行動だが…


見てない!見てない!


白昼堂々と、御所に忍び込むとこなんて


見てない!見てない!


良からぬことに、巻き込まれた感じがするが、見てないぞ!!



そのまま輿は、進み黒谷へ到着した

シュタッ

誠「戻りました!間に合いましたね!」


本当…何者だよ

無事に戻ったことに安堵したが

少し顔色が悪いことに、心配した


俺「体調悪いんじゃねぇか?」


誠「わかります?少し…ね」

慶「すまんな…昭徳と昭則に粗方の指導
をしたら、休んで良いぞ」

誠「ん…そうする」


今日の紅葉狩りは、昭徳様と昭則様の
お披露目を兼ねている

その補佐役を誠がしている

お茶とお茶菓子で軽い茶会

そして、夕餉に宴をする

新選組の6名は、そのまま泊めてもらう


誠は、無表情で2人に指導していた


俺達には、目を向けない

慶喜様の前で、仕方ないが

近藤さんは、うずうずしているようだ


誠が立ち上がり、慶喜様と容保様に
挨拶をして、紅葉狩りの席を外した


体調が心配だ







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