新選組へ ~ 連理之枝 ~
屯所に戻り、旗を見せてもらった

〝誠〟


ここからとったのか?

山南さんの部屋へ行った

「あの……佐々木さんに言われて、旗を見せて頂きました
俺の名前に、もったいないです」

「どうして?ピッタリだと思ったけど?
ほら、皆も賛成してたでしょう?」

「大事な旗と同じなんて、申し訳ないです」

「じゃあ、名前教えてくれる?」

「名前は、本当にないんです
ごめんなさい」

「いや、試すような言い方してしまった
……すまないね
だけど、大事にしたいと思ったんだ
君を……笑わせたいと思ったんだ
君は、誠になったんだ!新選組の仲間!
誠は、新選組の一員なんだよ!」

「ありがとうございます」

深々と頭を下げた

山南さんの言葉は、とても嬉しかった
だけど、辛くなったよ
だって…
俺は、任務が終わったらここから出るから
別れも言わず、消えないといけない


俺は、慶喜様以外を信用しない


わざと無表情にしてるんだ
わざと距離を置いてるんだ


優しくしないでくれ……

辛くなるから……

優しくしないでくれ…

別れを思うと切なくなるから…



< 20 / 323 >

この作品をシェア

pagetop