新選組へ ~ 連理之枝 ~
新選組に見舞いを頼んだ


とはいえ、サラシを巻く訳にもいかぬ

どうやって会わせるか

悩んだが

新選組が見舞いに来ると伝えると

サラシ巻くと言いだした

バレると困るもんな…



「はあ…お喋り」

「夏弥を元気にしたいんだ」



見舞いに来たのは、山南だった


「大したことないのに……すみません」

元気に振る舞う……

「横になってて!顔色が良くない!
無理に元気ぶらなくていいんだよ!」

「……はい」

「山南の言うことは、素直に聞くのだな」

「山南さんは、特別だからな」

「なんで?僕が特別なの?」

「長男だから …?」

「「は?」」

「山南さん…手、握って…」

「はい」

「山南さんといると、安心します
不安とか、忘れます」

「まこっ…夏弥…?
生きていればいい
近藤さんが言っていました
生きてさえいれば、会える!
僕は、丁度会いたいと思っていてね
夏弥に会えて嬉しいよ!
僕にも夏弥は、特別なんだよ!」

「嬉しい」

本当に嬉しそうに笑った

そして、眠った

「山南、ありがとう
今日は、ずいぶんよかった!
山南のおかげだろう…ありがとう!」

「いえ、近藤さんや土方さんの方が
よかったのではないかと、悔やまれます」

「山南がよかったんだ!近藤と土方から
勧められたんだろ?」

「そうなんですが……
役にたったのか……」

「山南、礼を言う、ありがとう」

夏弥の枕元に

「これ、皆からの励ましの寄せ書きです」

「読ませるよ」


山南は、帰るまで夏弥をみつめていた


新選組で夏弥が、どれほど大事にされたか

よくわかる


帰りたいと泣いたこともあったな…



年明けに大阪へいく


夏弥をこの状態で連れて行けない


新選組に託すか


会津に託すか


決断しなければならんな
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