新選組へ ~ 連理之枝 ~
相変わらず軽い体を担ぎ
御所に向かった
中川宮に、夏弥を引き渡した
中川宮は、夏弥が女であると知っている
賀陽宮と名を変えられたが
未だ、中川宮と呼んでいる
着物に、血がついているのを気に掛けてくださり、着替えを下さった
着替えの間、夏弥は治療を受ける
前に夏弥が切った所を浅めに切った
さほど酷くなかろう
別室で着替え、だされたお茶を頂く
「慶喜…」
深刻な顔をした
中川宮が入ってきた
「どうなさったのです?」
「医者に体を調べてもらった」
「なにか、病ですか!?」
「知らないのだな?」
「はい」
「最近、子を流したようだ」
体調が悪いのに、頑なに医者を拒み
病気じゃないと言い張った
懐妊に気づき、1人で産む為に…
すべてがつながった
俺の頬に涙がつたう
2度も気づいてやれなかった…
1人で苦しんで、つらかっただろう
「慶喜…お前の子だな」
「…はい」
「そばに置かぬで良いのか?
正式に側室に迎えれば良いでは無いか?」
「記憶を消したので、もう…叶いません
どうか、思うように生きさせてやってください!!幸せに…幸せに過ごしてくれたら
それでいい…
よろしくお願いします!!」
涙が次々に溢れた
もう…会うこともないだろう
この手に抱きしめることも
夏弥の姿を見らぬまま、御所を出た
輿の中で
夏弥を思い、また泣いた
翌日、山南が切腹したと…知らせを聞いた
きっと、夏弥は山南を助ける為に
戻ったのだろう…
どうして、夏弥の願いは叶わないのだろう
「お芳…夏弥は、もう…戻らん」
お芳が、夏弥に想いを寄せていることは
気づいていた
泣き崩れるお芳を慰めた
何度も理由を聞かれたが
答えられなかった
お芳は、病で死んだのだと思ったようだ
それもいいだろう
どうせ、もう会えないのだから…
御所に向かった
中川宮に、夏弥を引き渡した
中川宮は、夏弥が女であると知っている
賀陽宮と名を変えられたが
未だ、中川宮と呼んでいる
着物に、血がついているのを気に掛けてくださり、着替えを下さった
着替えの間、夏弥は治療を受ける
前に夏弥が切った所を浅めに切った
さほど酷くなかろう
別室で着替え、だされたお茶を頂く
「慶喜…」
深刻な顔をした
中川宮が入ってきた
「どうなさったのです?」
「医者に体を調べてもらった」
「なにか、病ですか!?」
「知らないのだな?」
「はい」
「最近、子を流したようだ」
体調が悪いのに、頑なに医者を拒み
病気じゃないと言い張った
懐妊に気づき、1人で産む為に…
すべてがつながった
俺の頬に涙がつたう
2度も気づいてやれなかった…
1人で苦しんで、つらかっただろう
「慶喜…お前の子だな」
「…はい」
「そばに置かぬで良いのか?
正式に側室に迎えれば良いでは無いか?」
「記憶を消したので、もう…叶いません
どうか、思うように生きさせてやってください!!幸せに…幸せに過ごしてくれたら
それでいい…
よろしくお願いします!!」
涙が次々に溢れた
もう…会うこともないだろう
この手に抱きしめることも
夏弥の姿を見らぬまま、御所を出た
輿の中で
夏弥を思い、また泣いた
翌日、山南が切腹したと…知らせを聞いた
きっと、夏弥は山南を助ける為に
戻ったのだろう…
どうして、夏弥の願いは叶わないのだろう
「お芳…夏弥は、もう…戻らん」
お芳が、夏弥に想いを寄せていることは
気づいていた
泣き崩れるお芳を慰めた
何度も理由を聞かれたが
答えられなかった
お芳は、病で死んだのだと思ったようだ
それもいいだろう
どうせ、もう会えないのだから…