新選組へ ~ 連理之枝 ~
翌日


しっかり男装した夏弥を、桂宮様の元へお連れする

桂宮様の処へ着くまでに

「あれは~?」「これは~?」などと

散々、質問攻めされ疲れた

少しでも目を離すとテクテクとどこぞへ
行こうとする

すっかり遅くなってしまった

「桂宮様、お待たせいたしました」

部屋に入ると、桂宮様は夏弥に目を向けた

夏弥は、桂宮様に向かって、にっこり微笑み

歩みよる

夏弥に殺気は、ない

俺は、夏弥が何をするのか興味があった

桂宮様の膝にちょこんと座り

抱きついた

…なんということだ!!


これは!!どういうことなのだ!?




「愁迦?…なのね?」





しゅうか?




「…知らなぁい」

「柊花?愁迦?どっちなの?」

どっちも同じなのでは?

と、思ったが


「んーー?母上の好きな方になるよ?」


夏弥は、そう答えた

しゅうかとしゅうかが、何かわからず

困っていた


しかし…


母上と呼んだ!?



「愁迦!!」


桂宮様と夏弥…いや愁迦様が再会されたのだ


感涙した


桂宮様が、強く愁迦様を抱きしめ涙した

愁迦様は、えへへっと桂宮様の涙を拭った


「母上?俺…怨まれてるみたいです
なにか、悪いことしたのでしょうか?」

「愁迦は、何も悪くないわ!!
どうしてそのようなことを?」

「斬られたみたいなんですよねぇ~」


首を触りながら

のん気さはそのまま、そんなことを言った




「貴方を守る為の刀が、たまたま当たったのよ」

桂宮様は、上手にはぐらかした


「そっか!!」

単純な愁迦様は、すぐに納得された


ずいぶんと
幼くなった、愁迦様に桂宮様は
現在の世が、どうなっているかを話した


聡明さは、変わらないので

すぐに状況を把握したようだ



桂宮様の所から、連れ帰る際も

質問攻めされ

その日は、ずっと

なんで? どうして? それで? だから?
どうなったの? それから? など…


いい加減、うるさかった…


慶喜に目覚めたこと、対応に困っていると
文を書いた


「ねぇ?だれ?慶喜様は、どんな人?
夏弥は、どんな人?」

「そのうち、わかります」

「中川宮様、俺の対応に困っているの?」

「…え!?」

冷や汗がたらり

「だって、中川宮様
俺としかいないでしょ?迷惑でした?」

ニコニコとなんてこと聞くんだい?

「そ…そんなこと…」

「そう?なら良かった!!
中川宮様!!先ほどの話の続き!!」


勘弁して欲しい…



が、ニコニコと嬉しそうにねだられると

断れない、俺がいる



誰か…



この可愛すぎる子供をどうにかしてくれ!
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