新選組へ ~ 連理之枝 ~
慶喜からの文が来ないまま、2日たった

一昨日も質問攻め

昨日も質問攻め

どうやら、無くした記憶を補う為に

知識を得ているようだが…


今の将軍が家茂と聞いても、動じることも無ければ

ふ~んと興味も無さそうで



そして、今日は天子様の元へお連れする



「中川宮様?どこへ?」

「黙ってついて来て下さい!!」

「え~!?どこ?どこ?」

「愁迦!!少し、静かにしなさい!!
今から、天子様に拝謁致します!」

「へぇ~天子様って、今おいくつ?
孝明天皇ってことだよねぇ?
俺のこと、覚えてるかな?」




はあ~



結局、質問攻めかぁ…


「孝明天皇様で、覚えておいでですし
今は、34では、なかったかな」

「ふ~ん」


聞いといて、それはやめて欲しい









「愁迦にございます
お目通り、ありがとう存じます
叔父上様、御息災の御様子何よりでございます」


…この!! 猫かぶりが!!!!

あんなに、子供の振る舞いであったのに
なんだ?
この毅然とした態度!!


「久しぶりだな?愁迦
其方も息災で何よりだ!
して?どのように生きたいか?」

「山里にて、静かに暮らしたく存じます」

「それは、男としてか?」

「山里で暮らせるならば、どちらでも
母上のように、独り身を通すつもりです」

「そうか…あい、わかった
そのように生きることを許す!」

「有難き幸せにございます」

「しかし… 少しばかり頼みたい」

「はい!俺に出来ることならば!」

「東宮として、一橋 慶喜の元へ行って
ひとつき過ごせ!
桜が咲く頃、帰って参れ!
その後は、其方を自由にしよう!」

「わかりました」





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