新選組へ ~ 連理之枝 ~
【慶喜】


「慶喜様、今から夏弥さんの部屋にいきましょう」

「なぜです?」


思い出してしまうかも…それは、阻止せねば!!

「お香を持っていたでしょう?
あれが、今回の原因です!」


「お香が?」


「俺が作ったんです
夏弥さんは、あのお香に隠された力を知りません
慶喜様…夏弥とは、俺のことでしょう?」










「あのお香は、もう…ない」






「何個ありました?」

「たしか…3つ」

「いつ使いました?」

「夏弥と星見をするときに1個使った」

「それから?」

「夏弥がここを出たときに…
ひとり星見をするときに1個」

「残り1つは?」

「紅葉を覚えているか?」

「…クレハのこと?」

「そう…紅葉がお香を焚きたいと…
そうだ… 俺と佐々木と3人で夏弥の部屋に行って…あれ?その時、あのお香が夏弥の手作りだと…あっ!!!2つあった!!
あの時、2つあった!!いや…おかしいな…なぜだ?」

「あのお香は、記憶や思想を操れる
恐らく、お香は使い切ったと思わされた
残りの1つが伊東に渡って
伊東は、お香の力を知って、ちまちまと
近藤らを操ってるようですね」

「紅葉が伊東とつながりがあったのか?」

「紅葉に会えるか?」

「…亡くなりました」

「そうか…」


「!!!…紅葉の死はおかしい!!
そうだ…夏弥を取り戻すように言われて
戦線復帰して…なぜ
そうだ…なぜ?」

「慶喜様も記憶を操られたのですね
落ち着いて下さい
とりあえず、夏弥さんの部屋へ」




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