新選組へ ~ 連理之枝 ~
【誠】

天井から、クナイを持った男が降りてきた

反射的にクナイを奪い取り、男を抑える




やられておけば良かった……



男は、いつも俺を見張っていた天井さん
あぁ山崎さんだっけ

監察方に欲しいとか、皆も隊士にとか

はぁー

ここの人は、なんでこうなんだ?

簡単に俺を受け入れ過ぎだろ




違う



俺は、信用されていない


俺は、皆を信用していない


皆から、視線を落とした
こんなに、良くして貰っていて
それでも、居心地の悪さがある

俺は、慶喜様以外… 信じたくない

だって、皆が俺を受け入れてるのは
土方さんのことを信頼しているから
土方さんが拾って来たから
間違いないって

そうでなければ

こんなに良くして貰うなんて、おかしい!

皆の意見に、近藤さんは、1人で反対して

慶喜様みたいに……


慶喜様は、俺を守る為に
お立場を危うくしたことがある

「近藤さんは、本当にお優しいですね
土方さんの小姓のまま、監察方と隊士でも何でもやりますよ
置いて頂いてますから、働きます
俺 ……人、斬ったことありますから」

近藤さんまで、立場を危うくしたら
いやだ

なんでかな?

俺は、見張りさえしてればいい

危ないことはするなって、慶喜様に言われたのにな












俺の処遇は、土方さんの小姓のまま





やっぱり、信用されていないからだな

「誠には、これ以上負担をかけられない
手を借りることもあるだろうが、これまで通り、歳の小姓を続けてくれ!」

「はい」

近藤さんの役にたてないことに、少し落胆した

まぁ、いいけどな



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