新選組へ ~ 連理之枝 ~
俺は、幼い頃から虚弱だ


その日は、朝から少し具合が悪かった

影が表に出ないと言い張ったので

かなり辛かったが無理をした


夕餉は、断り休むことにした


すると、影が部屋にきて


影「よく頑張ったな…」

そう言って、舌を切った

また???

と思ったときは、すでに口づけされていた


頭がぼっーーとした


疲れと、だんだん治まる吐き気とめまい

着物の中で動く、影の手


影が好きだ


唇が離れる時、影を抱きしめ口づけした


影「んなぁ…!!んんっ!…やぁら」


ぐったりしているので、大した力がない

抵抗しているつもりだろうが

女の力

俺は、確信した

影は、病を治す力を持っている


抵抗しなくなり、唇を放すと

気を失っていた


影の目から流れる涙をそっと拭い

抱きしめた


「ごめん…好きなんだ…」






翌日、もうひとつ確信した


影の体調が悪かった

昨日の俺の症状だった

今回も世話役を拒み、ひとりで苦しみに

耐えている





治した病にかかる




正確には、人の病を自分の体に移している


そう確信した



そして、治るのにひとつきかかる



1日1食しか食べず



病から病でかなり痩せた



ひとつき経ったとき、病は治ったが



影は食事を口にしなくなった



父上に呼ばれ、2人で部屋へ


天「どうだ!?睦仁と結婚しないか?」


影に向かっていきなり言った


影は、全く表情を変えずに


影「誰の者にもならない
影でいる以上を求めるなら…
この約束を終わりにする
俺は、お前らの道具じゃねぇ」


約束?


俺「影!?名前教えてくれないか?
道具みたいに影なんて呼びたくない
俺は、お前が好きなんだ!!」


父上の前だけど、さらっと言った


影「誰も信じない
邪魔になったら、捨てるんだろ?
名前なんか… いらない
俺は、睦仁を好きになったりしない」


棒読みすぎる

きちんと意見を言うが、感情が…

おかしい

どうしたんだ?

あっ!!


俺「なぁ…マコト?」


試しに呼んでみた


少しだけ、ピクッ と反応したけど


影「俺には、名前はありません
影です
…2度とその名前は呼ばないで下さい」


ギロッと睨まれた


そして、部屋を出て行った








父上にお辞儀をして、俺も部屋を出た


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