新選組へ ~ 連理之枝 ~
【沖田】

すっかり良くなった体調に、松本医師は

興味深いようで

屯所に来るたび診察する

今日は、巡察のおかげで先生に会わずにすむ

診察終わり、土方さんに報告する

「特に変わりありません」

「ご苦労さん… で? 体調は?」

「はぁ~それも変わりないですよ」

「松本医師が聞いとけってよ… ククッ」

「他人事だと思って!!助けて下さいよ!」

「まぁ俺も気になるんだ
お前、悪くても言わねぇだろ?」

「そうかもしれませんけど、こんなに
いつも聞かれたら、違う病にかかりそうです」

「せっかく誠が治してくれたんだ
大事にしろよな!?」

「・・・はい」


誠と聞くと寂しくなる

僕の初恋は、東宮という身分でありながら

新選組にいた




男の子だった・・・




我ながら、バカだなぁと思う




男色な訳ではないんですよね




なんて言うか、女の子に見える



う~ん



女の子だと思う




土方さんは、裸を見たことあるらしく


間違いなく



男の子だった・・・と聞いても



女の子だと思う



やはり、バカだなぁ



恋は、人を盲目にすると聞いたことがある



恋は、僕の目をおかしくしたんだ



誠の唇は、すごく柔らかくて


いやいや


接吻が初めてだから、男とか女とか区別は

つかないけど



女の子だと思うほど、柔らかかったんだ




自室で1人唇に手を触れ



会いたいなぁ




誠のことを考えてばかりいる
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