新選組へ ~ 連理之枝 ~
会いたいと思ったからって


会える相手ではない



わかっています




翌日の巡察は、町で解散した





僕は、誠と初めて出会った河原で

水が流れる様を見ていた

どこに行くんだろう

川上を見て、どこからくるんだろう

今まで気にもしなかったことに

頭を悩ませていた



誠は、水みたいですね



はぁ~



ここに来て、何度目かな?


ため息をついた


「総司?」


聞き覚えのある声に振り返った


「やはり!!総司か!?」

「富沢さん!!」


今回も将軍上洛にお供されたと、近藤さんから
聞いていた


僕は、誠のことをどう説明していいか

困った


「はっはっはっ!!!
わかりやすいなぁ!!総司、聞いてるよ!」

お見通しですね

富沢さんに、僕のバカみたいな初恋の話を
聞いてもらいました

富沢さんは、こんなバカみたいな気持ちも
けしてバカにせず、うんうんと聞いてくれた


そして、僕の欲しい言葉をくれた



「誰かを大切に思えることは、素晴らしい奇跡なんだよ?総司がそういう相手に出会った
その気持ちは、大切にしなさい!
はははっ誠と総司が夫婦になったら
ふたりとも、俺の息子だなぁ!!」




なんて、お気楽なんだろう・・・





男同士、夫婦はないでしょう?





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