新選組へ ~ 連理之枝 ~
目覚めたら、伊東さんの腕の中で、ずっと
抱いてくれていたのだと、わかった

廊下に出てから、伊東さんが言った


「誠くん、いや…誠!
もう、怪我や病を治すんじゃないよ?
力を使わなければ、家族と認めてもらえないと
思っているんでしょう?」



図星





「うふふっ わかりやすいですね」



背の高い伊東さんは、膝に手をつき

顔を俺の前に合わせた


「誠は、新選組の家族でいたいんでしょう?
だったら、道具みたいにしちゃいけないよ
自分を大事にしないと! ね?」


すべて見透かされていた

この人がいたら、新選組は大丈夫

そう思った


にこっ


久しぶりに笑った


伊東さんも笑ってくれる


伊東さんが抱きしめてくれて、見上げた俺の顔

涙を拭いてくれて

「ここには、こないほうがいい」

切なそうに言った


「そうですね」


俺も抱きしめかえした


少し肩を離され、上を向くと

口づけを落とされた


触れるだけじゃない、口づけ



廊下なんですけど!?




「ふふふっお嫁さんにしたいな」

耳元でそんなことを言われて

「あははっ 俺、伊東さん嫌いです」


俺達は、見合って笑った











誰にも挨拶をせずに


輿に乗り屯所を出た





何ヵ月も苦しんだ




心のモヤモヤを解決してくれた


力がなくてもいんだ・・・



睦仁とちゃんと話をしよう






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