新選組へ ~ 連理之枝 ~
【伊東】

久しぶりに屯所に来た東宮様

ずいぶん痩せて

すぐにこの前来た東宮様と別人だと

わかりました




ちやほやされ、可愛がられていた


誠くん



皆さんは、気づいていない



藤堂君は、山南さんのことで誠くんを責めた


あれは、私の過ちです



明らかに様子のおかしい藤堂君


一体どうしたのかしら?


久しぶりに彼を平助君と名前で呼んだ


彼は、よほどの事がない限り私が他人を

下の名前でよばないと知っている



誠の正体には、驚かされました



すがる思いで誠を抱き、怪我を治して貰った



誠は、私を嫌っていた



好きでもない私と… どんなに辛いか


だから、精一杯優しくしました


慶喜様の怪我が体に現れ



私は、自分の過ちに気づきましたが

もう、遅い…


痩せたのもこの力を使うからですね





他人のために、自分を犠牲にするなんて





まっすぐな瞳


幼い笑顔


小さな体




どこから見ても、女の子じゃないの?



私は、誠に怪我と心を奪われました



廊下で… 口づけしてしまいました


拒むことも出来たのに


誠は、受け入れてくれて、私は


さらに好きになってしまったんです



幹部会議の時



平「誠の力を新選組に使いましょう」


「平助!!
誠は、家族なのでしょう!!ばか仰い!!」


柄にもなく、大声で呼び捨てしました


平「裏切り者だろ… 」


「違います!
誠は、新選組の為に…」


おっと… 言わない約束でした


「平助君は、自分の舌を斬れますか?
誠は、痩せたでしょう?
血の味で、気分は悪いし、痛くて食事どころではないはずです!!
そんな、力を利用して
誠を犠牲にして
守るものってなんですか?」



幹部の皆さんに伝わったでしょうか?



誠は、家族なのでしょう?




私の好きな人を泣かせないで…




一緒に笑わせましょうよ!
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