新選組へ ~ 連理之枝 ~
お梢と別れ、俺達が出会った河原へ

「総司も、ここに連れて来てくれたなぁ
記憶が戻っていることを気づかれてて
忘れたふりして、ずっと新選組にいてって
お願いされたんだ」

「そうか…」

「贅沢な人生だったと思います」

記憶が無くなるのって、生まれ変わるような
もんだよな…つれぇよな


「たくさん人を傷つけて、俺も辛かった
いっぱい泣いたけど、いっぱい笑って
俺の料理を美味しいって、褒めてもらって
本当にいい家族に拾われました
楽しかったです!俺、幸せです!」


「行くなって言ったら、困るよな?」


「困る」


「誠…お前、大丈夫かよ?」

「土方さん?」

「俺達のこと忘れて、生きていけるか?
俺は、誠がいるからやってこれた
お前が、いねぇと寝れねぇし
仕事は溜まるし、部屋はちらかって
皆…誠がいねぇと駄目なんだ…」

「大丈夫!新選組は、強いから!
土方さんは、副長です!
副長の弱気は、隊士に移ります!
遠くにも聞こえるくらい、新選組に活躍して
貰いたいです!」


「誠…行くな…」

「まだ、行きませんよ!
帰りましょ!?屯所に!!」



あんなに無表情だった誠が、にっこり笑い

俺を真っ直ぐに見る




「バカヤロウ」

「え?なんで?」

「帰るぞ!!」

「はい!あ!待って!土方さん!!」






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