新選組へ ~ 連理之枝 ~
【誠】


食後、片付けが終わる頃


広間に集まって貰った


「いっぱい迷惑を掛けました
本当にお世話になりました
見送られるのは、嫌なので
ここで挨拶をさせて下さい!!
皆、大好きです!!
ありがとうございました!」





近藤さんが、号泣して

いつでも、帰っておいでと叫び



総司は、金平糖をくれて

平助は、いつかみたいに心配しまくりで

原田さんは、無に色気を出して頬に触れ

永倉さんは、珍しく泣いていて

斎藤さんは、千菓子をくれて

伊東さんが、おでこに口づけをして

佐々木が俺もと近づいたから、思いっきり
平手打ちした

土方さんは、俺達を見ながら笑っていた


やっぱり、母親みたいだと俺も笑った




いつも通り





こんな特別な、いつもが居心地いい




苦手でたまらなかったのに





慶喜が好きでたまらなかったのに






いつの間にか、皆のことばかり





土方さんのことばかり






人の心は、移りゆく






そのうち








皆も…俺がいないことに慣れて









忘れるんだ










だから、今だけ









この、特別な人達に甘えることを







許してほしい
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