新選組へ ~ 連理之枝 ~
【誠】

夕餉の前に皆から、笑ってごめんって
謝られた

なんだか、俺…悪いことしたなって
申し訳ない気持ちになった

「こちらこそ、すみません」

いたたまれないとは、このことだろう



いつも以上に皆が優しい



夜、星を見に廊下に出た

たくさんの星が新選組で、俺はそれを見てるだけ

居心地悪い理由がわかった

そう、俺の扱いが
仲間ではなく…お客様なんだ

皆は、しっかりした絆があって

俺は、今まで誰とも関わらないできたから

1人なんだな



懐から、紅葉を出した



慶喜様にとって、俺は…
どんな存在なのかな…

慶喜様と俺には、絆があるのかな?

一方的に俺が繋がっていたりして…


「はぁーー」


「よっ!」


「土方さん……」
「邪魔するぜ」

「仕事は?」
「終わった!よっこいせ!
誠…焦るなよ、ゆっくり思い出せ!」

あぁ、ため息で勘違いさせたか

「ありがとうございます」

土方さんから、星に視線を移した

「今度は、助けるからな!」

頭を撫でられた
本当、子供扱いだよな

「……はい」

気休めでも、そう言ってくれたことが
嬉しかった

「やっぱり、助けなくていいです」
「は?」

「佐々木さんに負けたみたいで、嫌です」
「ふっ…なんだよそれ……」

「そのかわり……落ち込んだら、慰めて下さい」
「誠は、表現がないから、落ち込んでも
俺、わかんねぇかもしれねぇぞ?」

「落ち込んだって、言います」
「ぷっ!佐々木殿が誠をからかう気持ちが
わかるよ」

「土方さんまで、やめて下さいよ」
「あははっ!
誠、明日も来るぞ?佐々木殿」

「……覚悟しておきます」
< 38 / 323 >

この作品をシェア

pagetop