新選組へ ~ 連理之枝 ~


部屋で布団に潜った


どうしよう



土方さんと佐々木さんが部屋に入ってきた

足音でわかる

佐「誠…すまん」
土「具合どうだ?」

恐らく、山南さんに聞いたのだろう

俺「佐々木さんのせいじゃないです
寝てれば治りますから」

たぶん……

土「顔出せ!」

ぴょこ

少し出てみた

土方さんがオデコに手を当てた

土「少し熱があるな… 」

佐「すまん」

俺「あっ…朝から、少し怠いなって……」

佐々木さんが珍しく、しょんぼりするから
嘘ついた

土「なんで、言わねぇんだよ!」

俺「すみません」


なんで、怒られてんだよ……
佐々木さんのせいにすればよかった

佐「医者を呼ぼう!」

俺「いえ!医者を呼ぶようなことではありません!大丈夫…です」

佐「しかし、お前に何かあっては、紅葉様から… 「大丈夫です!!」 」

佐々木さんの言葉を遮った

佐々木さんに心配されるなんて、世も末

布団に潜った

土「今のところ、良さそうですし様子を
見ましょう」

佐「明後日には、紅葉様に会えるのに…」

家茂様の警護は、明後日だったか!!

どうしよう

会いたいような…

怖いような…


佐々木さんが帰ってから、医術の心得が
あるからと、山崎さんが来てくれたが
見て貰う訳にもいかない

なんだかんだと言いくるめた

少し動けば、クラクラし吐き気に襲われる

悪い病かもしれないと

土方さんが言うけど…

たぶん、これは……悪阻と呼ばれるものだろう

大奥に居る時、小耳にはさんだ


その夜は、土方さんがずっと頭を撫でたり
背中を擦ってくれたり
看病してくれた


翌日


佐々木さんが様子を見にきたけど
話すのも辛かった

佐「明日は、無理そうだな…」

俺「明日、良くなります」

佐「無理だろう!」

土「無理すんなよ…」

慶喜様に会いたい

俺「調子悪かったら、諦めます」

会って伝えたい





捨てられるかもしれねぇけど……

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