新選組へ ~ 連理之枝 ~
御所から、出てきた紅葉様は
顔を隠していたが背丈も伸びておらず
遠目におかわりなかった

次に出てきた慶喜様は、スッと籠へ

最後に出てきた、家茂様は

こちらに向かって来る

勘弁して欲しい

頭を下げようとするが

「皆、そのままでよい!
春歩……儂がわかるか?」

「家茂様でございます」

「春歩は、そのように呼ばぬ」

「俺が、春歩ではないからですね?」

「儂は、春歩を見違うなど、有り得ぬ
思い出せ!春歩!」

家茂様、なかなかの演技だ
でも、絡んで来んなよな…

「申し訳ごさいません」

頭を下げた

「紅葉もおるぞ?先日、会ったそうだが
紅葉のことは、どうだ?」

「さぁ…そう言われましても……」

梶「家茂様、おやめ下さい!!
春歩は、記憶がないのですから」

助かった……


家茂様が籠に入ってから、二条城へ
進み始めた
何事もなく、二条城の前に着いたが

お出迎えしている者達……誰だ?

梶田が普通にしてる

だけど、慶喜様といたとき、こんな奴ら見たことない

土方さんから借りた刀を汚すのは、嫌だが

やらなければ……

「土方さん、佐々木さんの所へ行きます」

「おい!誠!!」

列から、飛び出し佐々木さんの所へ

「城の者じゃない、全員…敵だろう」

小声で言った

「わかった」

佐々木さんの剣の腕は、確かだ

1番前の籠は、紅葉様

お出迎えの者から、1人刀を抜いて向かってきた

抜刀し、全力で走りその刀を受け、敵を
切った

俺「梶田!!指揮しろ!!」

梶「春……はい!!」


斬り合いが始まった


さすが……新選組だ…強えな


敵の数が多かったから、かなり切った

返り血浴び、俺が斬られたみたいになってる

味方もずいぶんやられた

血の臭いに、吐き気がした

刀を紙で拭き、鞘に収めた

「春歩様!!」

紅葉様が籠から出ようとした

「紅葉!!籠から出るな!」

大声出したから……
頭がクラクラして、吐きそう……

佐々木さんと土方さんが、近くにいたけど

紅葉って…言ってしまった

頭、痛ってぇ

頭を抱えて、目を瞑ると

ふわっと誰かに抱きしめられた

「うっ……誰?」

慶喜様だった……

耳元で
「気を失ったフリしろ!
そして、この記憶を忘れるんだ」

「……」



慶喜様の声に安心した
体の力を抜いて、慶喜様に任せた
実際…限界だった










俺は、本当に意識を手放した
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