新選組へ ~ 連理之枝 ~
数日後、夏弥の体調が戻った
「もう、潜入はやめてここにおれ!」
「慶喜様?」
「夏弥、俺は夏弥を側室にしたい
お前は、男として生きていたいのだろうが
俺は夏弥に、危ないことをして欲しくないんだ」
抱きしめ、口づけをした
「夏弥の気持ちを聞かせてくれ」
「俺は、慶喜様をお慕いしています!
会えなくて、さみしかった
紅葉くれて、嬉しかった
懐妊に気づいたとき、もう1人じゃないって、幸せな気持ちでした
今、心も流れてしまったのかな
慶喜様が欲しくても、ダメなんです
身分が違います!許されません
慶喜様のお役に立てれば、それでいい
男として、女としても、慶喜様のもの
慶喜様のくれる言葉や、ぬくもりで
十分です」
夏弥は、わかっていて、俺の気持ちを
止めていたのか
身分なんて、なくしてしまえばいい
夏弥を押し倒し、体中に口づけをした
「夏弥… 夏弥…」
口づけをする度、夏弥の体はビクビクと
震える
もっと俺を感じて欲しい
「夏弥…」
俺のつけた名が好きだと言っていた
「夏弥…」
まだ、体は辛いはずだが、夏弥を抱いた
新選組へ行ったら、次はいつ会える?
「よ…し…っ…ぶ……」
「夏弥…」
「慶喜…」
「夏弥…」
なんでだ?
心も体もひとつなのに
夏弥… お前は、俺のものにならない
苦しくなるほど、長い口づけをしても
両手をぎゅっと握り合っても
確かに、ここにいるのに
夏弥…
俺は、また1人になってしまうのか?