新選組へ ~ 連理之枝 ~
永倉さんにかつがれたまま屯所へ


しっかし、この担ぎ方は、すげえよ

片手で持ってんじゃねぇか?


「永倉…誠は……」

「切った」

「また、頭痛で?」

「そうらしい……すみません」

「怪我人がいなくて何よりだ」

「誠のおかげです…誠が皆に檄を飛ばしてくれて
いつもの口調じゃなかったけど
助かったよ」



いつ、起きたらいいかな…



そーー



「うわぁ!!」 ドテッ

目の前に土方さんの顔があったから
本気で驚いた!!!

んで…永倉さんの手から、落ちた


「大丈夫か?」

「はい」

「誠?」

「はい」

「「よかった」」

「どうしたんです?」

「「何でも無い!!」」

「着替えろ」

「はい」




不思議だ



何も聞かれなかった


少し廊下を歩き立ち止まった

隊士達が言っていた言葉を思い出したから


〝試衛館の方々は、稽古になると鬼の本性を出すんだ〟

……とか

鬼は、土方さんだけでは、なかった……

永倉さんは、いつも優しい
土方さんみたいに眉間にしわ寄せたりしない

スタスタ

戻って、2人の顔をジロジロ見る


「どうした?」

土方さんが俺の前にしゃがんで
俯いた俺を見上げてくる

土方さんの頭を少し撫でた

「本物ですか?」

「当たり前だろうが!!」

「永倉さんも、本物ですか?」

「何の話?」

「俺、口固いです!大丈夫です!」


スタスタ……



< 50 / 323 >

この作品をシェア

pagetop