新選組へ ~ 連理之枝 ~
【永倉】

翌日
裏庭で、1人ポツンと石に座る誠を見つけた

「誠?」

「永倉さん…」

「どうした?こんなとこで」

「……俺、自覚無いんですけど
思い出せないんです」

無表情だけど、これ…落ち込んでるのか?

「終わったことだから、いんですけどね」

落ち込んでないのか?

「忘れられるのは、やだなって」

やっぱ落ち込んでる!

「まぁ忘れられる側だから、わからないんですけどね」

どっちだよ!!!!!


「そのうち、思い出すだろ」

「俺も、そう思っているけど……
なんか、今回は…モヤモヤするんです」

「思い出しかけてるんじゃね?」

「……そうでしょうか
うん、そう思うことにします!!」



土方さんに誠が悩んでいるって、言っとこう

【原田・藤堂】

「よう!!誠!!」

誠がぺこりと頭を下げた

原「何してるんだ?」

「はい、屯所をひとまわりしています」

藤「なんで?」

「忘れないようにです」


誠を見送り


「平助……土方さんに知らせよう」

「うん……」



【斎藤】


「斎藤さん、こんにちは」

「散歩か?」

「はい、斎藤さんって、うどん好きでしたっけ?」

「……あぁ」


俺は、そば好きだ
誠と語ったことがある


副長に報告しよう




【沖田】

「誠くん、お団子食べない?」

「俺は、結構です
お茶入れますね!」

「ありがとう!!
……誠くん!!炊事場は、あっちだよ?」

「……ありがとうございます
部屋にお茶持って行きますね」

「あっ!!土方さんに呼ばれていたんだった!!やっぱりお茶は、いいや」

報告しなくちゃ!!
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