新選組へ ~ 連理之枝 ~
【誠】

佐々木さんが来た…

この前のこと、報告しないとな

苦手なんだよなぁ

いつも通り、お茶を出す

「誠、庭で話そうか?」

「……はい」



報告だ、単なる報告だ…




庭で2人になる

「夏弥」
「ここでは、誠!」

「様子が変だって、あいつら言ってたぞ」
「何ともねぇよ」

「紅葉もってるか?」
「うん」 懐から出す

「誰からもらった?」
「慶喜」

「はぁーよかった」
「ちゃんと覚えているって…」

「抱っこしてやろう!」
「遠慮します!!」

広間へ向かう

「恥ずかしがるな、ほれ」
「結構です!」

土方さんに助けてもらおう!!

「話、終わりました」
「まーこーとー、おーいーでー」

「気持ち悪いですよ」
「照れるでない!」


「佐々木殿!この前のように体調崩すと
困ります!」


助けてくれると、信じてたよ!!


「仕方ない、今日は諦めよう!」

いつも、諦めとけ!!

「失礼します」



佐々木さんに言えなかった
山崎さんの記憶がないって…

言ってしまえば、他の記憶も無くなってしまう……そんな不安でいっぱいだった

忘れたくない


何も

誰も

全部


ちゃんと覚えておきたい



今まで、人を避けて生きて来たのに
おかしなことだが
誰も忘れたくない

家茂様、慶喜様、紅葉様、容保様
梶田と佐々木も
新選組の皆も大切だ

大切な…大切な… 仲間


忘れない


忘れたって、思い出す


仲間って…いいな

皆を見てたら、そう思うようになっていた

時々、喧嘩もあるみたいだけど


結局、お互いが必要で、大切で


尊重し合ってる


仲間のためなら、何でもしたいと思う

それほど、大切なのだ


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