新選組へ ~ 連理之枝 ~
翌朝

二日酔いの幹部たちと違い、富沢さんは
ケロッとしていて、大声で

「誠の飯は、うまいなぁ!!」

昨日の夕餉も俺が作ったのに……

朝餉の後、富沢さんが俺と剣術の稽古を
したいとか……

道場から、木刀を2つ借りて、庭で向き合う

「試合しよう」

稽古じゃねぇのかよ!!

どうしようかと思ったが、山南さんが審判をしてくれるからって

やることになった

「天然理心流ですか……」

近藤さんと親友だもんな…

「誠は?」

「じゃあ、俺も…」

同じ構えをした

一通りの剣術は覚えている


始まりの合図を聞いてから、どれぐらいたっただろうか



躊躇しているわけでは、ない

富沢さんから、誘われたのに…
まったくもって戦う意思が感じられない

不思議だ

木刀を持ち構えていて

こんなに気持ちが穏やかになるなんて


「富沢さん、参りました」


俺は、降参した




富「誠には、敵わないよ!
俺の負けだ!」



山「引き分けですね?」



縁側で3人でお茶をした

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