新選組へ ～ 連理之枝 ～

揺らぐとか・・・

佐々木さんに悪気はない

今まで、聞いたことがなかっただけだ





だけど……







佐々木さんが、庭掃除している俺の所へ来たのは、昼前


慶喜様の側室様の話になり

江戸の火消し役の娘を、側室に迎えており
連れて来ているとのこと

俺は、箒を持っていなかったら、座り込むところだった

それくらい、驚いた

てっきり、家茂様みたいに
宮家や武家とかの血筋を迎えるとばかり

勝手に思い込んでいた

だから、俺はたとえ女でいることを選んでも、慶喜様の御子を宿しても、側室にはなれないと

慶喜様は、俺に女になれとは言わない

今さら、教養もなければ、しきたりも知らない

だけど…


だけど…



俺は



慶喜様の近くにずっといられるなら


女になってもいいと


本気で、心が揺らいでいる



いやいや……


俺がなりたくて
側室になれるものじゃねえ





あれ？



慶喜様は、何で俺の体が欲しいんだ……？

紅葉や千菓子くらい

誰にでもあげられる

俺にとって、慶喜様が特別な存在でも

慶喜様にとっては、大勢の中の１人


優しい方だから、皆に良くしていたりして



不安になった



佐々木さんに悪気はない



だけど…