新選組へ ~ 連理之枝 ~
【誠】


暖かかった

心の中まで……



近藤さんの腕の中は、すごく居心地よかった


最近、俺は、弱くなった気がする



不安になったり、泣きたくなる



昼間、あんなに幸せいっぱいだったのに

夜、星見していたら、俺は、無くした記憶に、また気がついた……

慶喜様……


家茂様の警護の時、慶喜様の部屋で

何か…

何か…

大切なことを言われた



頭ん中で〝夏弥〟と呼ぶ声と

慶喜様が口をパクパク動かす姿

思い出せない……




慶喜様……助けて……怖い




はっ はっ はっ はっ はっ


息が……



……できない



忘れたくない……



「誠!?」

「はっふっ……ひじっ……か…さ…」

「喋るな!!」

「山崎!!」


シュッ


「誠!?」

「山崎、布団頼む!」

苦しい……

「誠!!大丈夫だから、ゆっくり息を整えろ!」


はっ ふ はっ ふ

頭が痛い

目の前がクラクラ


「ひ……じか……さ…た…すけっ…」

「誠…落ち着け!大丈夫だから!!」






〝 夏弥、俺は夏弥を側室にしたい 〟





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