新選組へ ~ 連理之枝 ~
傷つくとか・・・
お祝いに駆けつけた者が順に挨拶をする

いちいち、返事をかえすのだから

慶喜様は、大変だ


近藤さんは、近藤さんらしいなって感じの
心のこもった言葉で、お祝いを述べた

さすが、新選組 局長だ


他の奴らとは、違うな




それぞれの交流目的も含めた食事会

慶喜様の隣には、かわいらしいが色っぽい
そんな感じの女性が座っていた


恐らく、佐々木さんの言っていた
火消し役の娘 お芳様だろう


とてもお似合いで、見ていると


〝お前は、いらない〟


そう言われているようで……

見ないようにした

「紅葉様がお呼びだ」


佐々木さんに連れられ、別室へ


「俺は、失礼する」


佐々木さんが、俺を残して帰っていく

「なっちゃん?」

「紅葉…助かった」


これ以上、慶喜様とお芳様を見ているのは辛かった

紅葉が、俺をなっちゃんと呼ぶ時は
女扱いの時だ

「紅葉…俺……」嫉妬してる

なんて……言えない

「記憶が無くなるんだ」

「本当なの?」

「あぁ…思い出せないことが色々出てくる
本当のことを言ってくれ!
前から……記憶が無くなることがあったか?」

「ないわよ!!なっちゃん!!
夏弥…私を忘れては、嫌よ?」


「紅葉…俺、怖いんだ」


「夏弥…」


「俺が俺で無くなる日がくる」


「夏弥は、夏弥よ!!私を残してね!!」


「紅葉…ありがとう
紅葉に話したら、楽になった
さっ、戻るかな」

「慶喜様とお話しなくていいの?」

「紅葉に聞いて貰ったからいいや
俺…邪魔したくないし……」

最後は聞こえないように言った




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