新選組へ ~ 連理之枝 ~
広間に戻ってから、帰るまで

慶喜様を見なかった

あんなに会いたいと願ったのに……


女になってでも、そばにいたいと

思っていたのに


慶喜様を見れなかった


慶喜様の幸せを嫉妬するなんて

俺は、最低だ



合わせる顔もない



〝いらない〟



そう言われない為に、ずっと俯いたまま

二条城を後にした




屯所に戻るまでに、何度か吐き気に襲われた

山南さんが背中を撫でてくれて


近藤さんがオロオロして


それでも、迷惑かけないようにと

歩いた


屯所に戻って

土方さんに布団を敷いてもらい


すぐに横になった


忘れたい……




こんなに苦しいなら、慶喜様への気持ち




忘れたい……
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