新選組へ ~ 連理之枝 ~
花見とか・・・
少し風は、冷たいけれど

新選組の羽織のような

綺麗な青空



昨日は、あれから特に誰から何を言われるでもなく、過ごした


土方さんは、俺の記憶を埋めてくれるはずだったが、きっと… 俺が落ち込むと思って
何も言わないんだろう

本当に優しいな


今は、その優しさが頼りだ


慶喜様は、佐々木さんから報告を受けているだろう


用意された位置のゴザに腰掛ける

上座に椅子が、5つ

家茂様、慶喜様、紅葉様、容保様… お芳様

かな


…………やっぱり


残酷だ

最後にまた、仲むつまじい姿を見るなんて

諦めがついていいか


とはいえ、胸が締めつけられる


胸のあたりを掴んでいたら

「誠様?お加減が悪いのでは?」

紅葉…

上座から、下がるとは何事だ……

「すみません…ご心配には、およびません」

「なら、桜を見るのについてきて?」

こいつは、昔から型破りだ

「いけません!怒られますよ?」

「誰に?」

「お偉い方から」

「大丈夫よ!いきましょう?」

「はい」

2人を見なくて済むし、いいか




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