新選組へ ~ 連理之枝 ~
俺を抱きしめたまま土方さんも寝た

先に目覚めたのは、俺

朝餉作るの手伝おうかな

部屋を出た


お!


天井から気配…… 感心だな

気づかない振りして、背伸びをする

炊事場へ行き

「おはようございます
お手伝いさせて下さい」

「おはよう!早起きだな?
じゃあ、魚焼いてくれるか?」

「はい」

って……はらわた出してない

チラッ

使っていない、まな板と包丁の上で
腹を切り、はらわた出して洗う

焼きながら、それを繰り返す

「へぇー出して焼くんだな?」

「はい」

1人は、御飯を炊くのに必死

魚を焼き終わったが
まだ、味噌汁の具を切ってる途中だった

半分取り上げ、切って鍋へ

お膳に並べ、運ぶ

「誠!ありがとな!」 「いえ」


そのまま洗濯物を洗いに行った


血のついた着物が何着かあった
昨日、巡察で斬ったのだろう

「おい!誠!!」

すばやく、立ち上がった

「永倉さん、おはようございます」

ぺこり

「誠、飯くってねぇだろ?」
「作るのに、味見したので、十分です」

「遠慮すんなよ?大きくなんねぇぞ!」
「永倉さんみたいにですか?」

頭をガシガシ掻き回された
ボサボサになったじゃねぇか!
手が濡れてるから、直せない…

「貸せ!干してやるよ!」
「いえ、置いてもらうのですから、それなりに働くのは、当然です」

「俺が、誠と一緒にしたいんだよ!」
「洗濯を?」
「おう!」

変わり者だな……



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