新選組へ ~ 連理之枝 ~
花見会が終わり、少しふらふらする近藤さんとあまりお酒を飲んでいない山南さんと
下戸の俺は、泊まるように進められた
近藤さんが、明日用事があるからと
お断りしてから挨拶をする

「春歩」

家茂様が声をかけてきた

首を傾げる「誠です」

「春歩だ…お前は、春歩なんだ!」

もう…辞めろ!

俺は、誠になったんだ

「申し訳ございません…覚えていません」

ぺこりと頭下げ近藤さんの所へ

近「家茂様、誠は新選組の家族です
記憶が戻りましたら、連れて参ります
どうか、お見守り頂けませんか?」

「……わかった
そちらに、預ける」



これでいい



帰り道


人気のない路地で
浪士5人に囲まれた


近藤さんは、ふらふらだ


「近藤さん、刀を貸して下さい」

勝手に刀を引き抜いた

「なっ!誠…!!」

「山南さん、近藤さんをお願いします」

「誠…」

「山南さん…大丈夫です!
忘れても、思い出せばいいんです!」

タッ カキーーンッ ザシュ


ザシュ ザシュ



俺が3人斬った



ザシュ


山南さんが1人


残り1人は、舌打ちをして逃げた



ズキッ



血の臭い



ガシャッ



刀を落とし、頭を両手で抱えた



これでいい



何もかも忘れてしまえば……



楽になれる




さよなら





慶喜様

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