新選組へ ~ 連理之枝 ~
【誠】

目を開けたら、見たことのない天井

体を起こすと薄暗い庭に、綺麗な桜

立派な屋敷だし、布団も良いもの

どこだ?

廊下に人の気配

「あら!お目覚めですか?よかった!」


なんて、強引な人だろうか

身包み剥がされ、風呂に入れられて

自分で洗うと言っても、聞き入れてもらえず

いつの間にか、3人の女たちから

女物の着物を着せられた


頭に何やら飾りまでつけられて


俺は、男だ!!


なんて、体見られているから
説得力は、ない


「失礼致します」


今度は、食事が運ばれた


2人分あるから、きっとここの主人かな


男として、挨拶するべきか?
女らしく、挨拶するべきか?


スー


襖が開けられたので、頭を下げた


「かしこまらずとも良い!頭を上げよ!」

「はい」


頭を上げると、綺麗な男性が目を丸くしていた

「あの……お助け頂いたようで……」

「美しい!!これほどとは……」

「え?あの…すみません/////」

初めて会う方に、こんなにジロジロと顔を見られるなんて!

女みたいに、照れてしまった

「もっとよく見せておくれ?」

「/////いやっ…恥ずかしいです」

ちっ……近づくなよ!!

「夏弥」

「え?」……何!?抱きしめられてる!!

「夏弥」

「ちょっと、お待ち下さい!!
あの…人違いです!
よく似てるのかもしれませんが、貴方様の
仰る夏弥様では、ありません」

「俺が誰か、わからぬのか?」

「初めてお会い致します」

「……食事をしよう」

「はい」


なんだったんだ?


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