新選組へ ~ 連理之枝 ~
食事が終わり、庭の桜を横並びに座り見る

それにしても、綺麗だな…

男にしとくのは、勿体ないな

「なんだ?」

「!!!すみません!!!」

ジロジロ見過ぎた……

「お名前、伺ってもよろしいですか?」

「慶喜だ」

「慶喜様ですね!ありがとうございます!
こんなに、おもてなし頂いて、お礼の仕様がございません」

「礼にはおよばぬ、好きでしたことだ」

「お優しいのですね」

「其方の名前も聞いていいか?」

「はい……えっあれ?」

「どうした?」

「えっと……」

「名前が言えぬか?」

「言えないと言うか、思い出せないです」

「夏弥」

先ほども、そう言われた

「えっと…本当に?」

「ふっお前は、夏弥だよ!
俺が夏弥を見違うなど有り得ぬ」

「……」

慶喜様が嘘を吐く必要は、ない


「夏弥……なのかな」


首をひねっていたら、軽々と慶喜様の膝に座らせられている

/////

何!?これ……心臓がドクリとなる

顔が熱い

お腹に回られた、慶喜様の腕にそっと

手を添えた

「夏弥…」ビクッ

耳元で、切ない声色

「思い出せ…」ビクッ 「ひゃっ」

首筋に口づけをされ、そのまま舐められる

「慶喜様…おやめ下さい…ひゃん」

頭では、逃げなければと思っている

なのに……抵抗せず、受け入れている

夏弥なんだ……慶喜様の夏弥なんだ


ヒョイっと抱えられ、優しく布団におろされた

「/////恥ずかしい/////」

「かわいいよ、夏弥…」

着物を脱がされて、口づけをされ

全く覚えていないのに

慶喜様に抱かれ……

幸せだと思っている自分がいる




慶喜様のことをお慕いしていたの?


だったら、どうして忘れたの?



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