新選組へ ～ 連理之枝 ～

本当の父は、徳川 家定

俺は、夏弥 隠し子だ……

他に実子はいない

御庭番衆 野村 喜左衛門の息子として、育てられた

11歳の時、家老 阿部正弘を斬った

12歳で、父が亡くなり

当時13歳だった、幼なじみの家茂が将軍となった

その時、慶喜と出会った

会話などは、することはなかった


その頃…俺は、紅葉が好きだった

しかし

初潮があり、初めて自分が女だと知った

育ての親、野村は主君である家茂に

俺の身の上や性別を話した


慶喜と13歳の俺を結婚させる為に、女にした


姫として、１年間生活したが


慶喜の家臣達は、結婚に反対した


家茂の提案で、顔合わせをすることになった

そこで…３人の男に襲われた

武器もなく、動きにくい女物の着物

必死に戦ったが、男の力に敵うはずもなく

抑えられた

もう…駄目だ……目を瞑ると


ザシュ ﾋﾟｼｬ 顔に血がかかった

ザシュ ザシュ

慶喜が３人を斬った

辺りは血まみれで……


血の臭いと頭痛に襲われた


そして


記憶を失ったんだ

『夏弥…今日から春歩だ！
春歩として、男として生きるのだ！！』

野村が春歩と名づけてくれ、嘘の記憶を教えてくれたんだ

そして、その野村は紅葉の父だ


家茂、慶喜、紅葉、俺を守る為に

仲間に斬られて死んだんだ

紅葉は、家茂の養子になった

年齢は、2つしか違わない

紅葉は俺の1つしただから、父上とは呼ばない

幼なじみだしな


15になった時、慶喜が俺を引き取ったんだ

妻ではなく、隠密として

夏弥の名に戻しても、俺は慶喜を思い出せず

それでも、慶喜の人柄に惹かれ

恋をした