しつこい、それでも君に恋をする
『好き、私に言って…?』
彼が“好き”だと言ってくれたのなら、私も言える勇気を持てるような気がするの。
彼の“好き”を聞いたら、きっと私は幸せな気持ちになれる、だから彼にもそう伝えたい、そう思える気がするの。
『好き、冬香が好きだよ』
彼の“好き”の言葉に、心の奥深くがじんわりしてくるー…
『……うん…』
『冬香は?』
『……好き』
私の短い言葉に、彼は優しく微笑んだ。
その微笑みを見て、私の顔も優しい表情に変わっていくー…
『やっと冬香のこと、振り向かせた』
『まだ100%の好き、じゃないけど…』
私の言葉に、彼は私のおでこに自分のおでこをぶつけてきた。
それと同時に鈍い痛みがおでこに伝わっていく。
『いいよ、これから100%にしていくから。
今は冬香の“好き”っていう言葉が聞けた、それだけでいい…』
ううん、もうきっと彼を想う気持ちは100%だー…
彼がいる、その日々の中にハルへの想いは消えていき、そして彼と過ごす時間の中で彼をもっと好きになっていく、そんな気がするのー…
『私、きっと好き。
だから一つずつ、秋也君のこと、教えてくれる?
そうしたら秋也君のこと、もっと好きになれると思うの』
彼はそれを聞いて、そして“いいよ”と言ってくれた。