白い糸

運命

私、桜井ユイは21歳

康君をこんなに好きになるなって・・・・
夢にも思っていなかった。　
　
康君に会ったのは

3年前の3月だった


あの時大好で追っかけをしていた
Sグループのライブの日だった。

待ち合わせ場所には、沢山の人、人、人、
都会のど真ん中での、人気の待ち合わせ場所だからなのだ。


「ユイ待った・・・・」遠くで聞こえる沙耶の声
声の方を振り向くと、手を大きく上げて振っている

こんなに大勢居る中で、なぜ気が付いてくれたのだろうかが・・・
沙耶がだんだん大きくなる。
見たことの無い、沙耶よりも、20ｃｍ以上も背が高い男の人が
沙耶と楽しそうに話してこっちに向かってくる。

「ユイ、ごめんごめん。
電車が事故で遅れていて。本当にごめんね。」
「全然いいよ。人間観察が大好きだから。」私が答えると
沙耶は
「やっぱり、ユイは面白いね」って、微笑んでくれた。

私は、上目使いで、沙耶の横の男の人を見た

沙耶が
「あぁ、牧村康君、高校時代の同級生、4月から大学院に行くんだ」

私は、胸が急に痛くなった、熱いものがこみ上げてきた。
コレは・・・もしかして、恋なのか、一目惚れって言うものか。
　
「初めまして、ユイです。宜しくお願いします。」って
康君が
「宜しくね。
初めて会った感じしないよね」って、
素敵すぎる、笑顔で言ってくれた。

私は、あぁ、これが“運命”なんだって思った。