雨恋~雨のちキミ~
第2章
-1-
「何で傘持ってへんかなぁ…」
「だって、朝晴れてたやん」
ぶーたれながらあたしの傘の柄を握るのは、里やん
特に約束しているわけではないけれど、毎日一緒に帰宅している
高校まで歩いて15分という距離にあるあたし達は、寄り道するほどの場所も通らない
「そっちまで行こか?」
お互いの家は徒歩5分ほどの距離
あたしの方が先に家に着くため、傘を持っていない里やんは家まで濡れてしまうことになる
「何でやねん」
「だって、濡れるやん」
「別に濡れてもいけるって」
教室で見上げた時は霧雨だったのに、今はしとしとと降り続き、通学路添いの家の生垣から覗く色とりどりのアジサイを潤していた
雨が降り始めて気温が下がったのか、肌を撫でる風が少しひんやりとしたように感じる
「もうすぐ中間テストやで?」
「だから?」
素っ気ない返事
………せっかく心配したってんのに
「初めての中間テストやのに、この時期に風邪引いたらアカンやろ」
「………」
あたしをジッと見下ろし、ふぅと溜息を吐く
「何…よ」
「我が恋に くらべてしかな 雨ふれば 庭のうたかた 数をかぞへて」
「へ?」
里やんが突如言い出した言葉の意味が分からず、眉をひそめた
「だって、朝晴れてたやん」
ぶーたれながらあたしの傘の柄を握るのは、里やん
特に約束しているわけではないけれど、毎日一緒に帰宅している
高校まで歩いて15分という距離にあるあたし達は、寄り道するほどの場所も通らない
「そっちまで行こか?」
お互いの家は徒歩5分ほどの距離
あたしの方が先に家に着くため、傘を持っていない里やんは家まで濡れてしまうことになる
「何でやねん」
「だって、濡れるやん」
「別に濡れてもいけるって」
教室で見上げた時は霧雨だったのに、今はしとしとと降り続き、通学路添いの家の生垣から覗く色とりどりのアジサイを潤していた
雨が降り始めて気温が下がったのか、肌を撫でる風が少しひんやりとしたように感じる
「もうすぐ中間テストやで?」
「だから?」
素っ気ない返事
………せっかく心配したってんのに
「初めての中間テストやのに、この時期に風邪引いたらアカンやろ」
「………」
あたしをジッと見下ろし、ふぅと溜息を吐く
「何…よ」
「我が恋に くらべてしかな 雨ふれば 庭のうたかた 数をかぞへて」
「へ?」
里やんが突如言い出した言葉の意味が分からず、眉をひそめた