雨恋~雨のちキミ~
「そういえばさ」


「何?」


「俺ら同じ幼稚園やったって、知ってた?」


「へ?」


あたしと里やんが………

同じ幼稚園?


初耳やわ


「えー!知らん、ってか今初めて知った」


「この前、友達遊びに来た時にアルバム見せてって言うから、幼稚園から中学校の時の卒業アルバム出して見てたら、恵が居ったからビックリしたわ」


「えーっ、同じクラスなったことないやんね?」


幼稚園の頃の記憶なんて曖昧やけど


「同じクラスはなったことないんちゃうかな。『恵』って名字珍しいし」


「そういうもん?」


「クラスは覚えてる?」


「えーっとねぇ…。年少が『いちご』、年中が『すみれ』、年長が『ぞう』やった」


遠い記憶を掘り起こす


「やっぱちゃうな。俺『りんご』、『ひまわり』、『ライオン』やったもん」


「へぇー、里やん『ライオン』か」


「どないしたん?」


「今日帰ったら、幼稚園のアルバム確認しよーおっ」


「はぁっ?!別に見んでいいし!」


珍しく真っ赤な顔をして抗議する

憂鬱な雨でも気分は上々

里やんと居ると、異性と居るとは思えないほど自然で楽しくて

柚羽とは違った安心感があった
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