雨恋~雨のちキミ~
-2-
「いやぁ───!里やん、見て見て見て見て!!!先輩、めっちゃかっこい───!」
「そんなに叫ばんでも見えてるわ。ってか、バシバシ叩くなや。肩潰れるやん」
テンションマックスなあたし恵千賀子(めぐみちかこ)とは対照的に、隣に立つ『里やん』こと里中晴臣(さとなかはるおみ)は、ものすごくつまらなそうだ
「何でそんなにテンション低いんよ!せっかく誘ったったのに」
「別に頼んでへんし。それに、どうせ見るんやったら男子より女子の方がよかったわ…」
まぁ、里やんの意見も分からないでもない
だけどあたしが見たいのは、水月孝則(みつきたかのり)先輩
今日は、その水月先輩が所属する男子バスケットボール部の対外試合
「1人で見に来たらよかったんちゃうん」
と言いつつ、あたしが誘うといつでも付き合ってくれる優しい里やん
「だって、先輩人気あるから…。1人で来てたらめっちゃ目立つやろ?皆に目つけられたくないもん」
ファンクラブまである水月先輩
先輩は皆のもの
だから抜け駆けは許されない
それがファンクラブの鉄の掟らしい
「恵もファンクラブ入ってんの?」
水月先輩がドリブルをするたび、黄色い歓声が体育館に響き渡る
隣を見ると、手すりに肘をつきコートを見下ろしていた
「そんなに叫ばんでも見えてるわ。ってか、バシバシ叩くなや。肩潰れるやん」
テンションマックスなあたし恵千賀子(めぐみちかこ)とは対照的に、隣に立つ『里やん』こと里中晴臣(さとなかはるおみ)は、ものすごくつまらなそうだ
「何でそんなにテンション低いんよ!せっかく誘ったったのに」
「別に頼んでへんし。それに、どうせ見るんやったら男子より女子の方がよかったわ…」
まぁ、里やんの意見も分からないでもない
だけどあたしが見たいのは、水月孝則(みつきたかのり)先輩
今日は、その水月先輩が所属する男子バスケットボール部の対外試合
「1人で見に来たらよかったんちゃうん」
と言いつつ、あたしが誘うといつでも付き合ってくれる優しい里やん
「だって、先輩人気あるから…。1人で来てたらめっちゃ目立つやろ?皆に目つけられたくないもん」
ファンクラブまである水月先輩
先輩は皆のもの
だから抜け駆けは許されない
それがファンクラブの鉄の掟らしい
「恵もファンクラブ入ってんの?」
水月先輩がドリブルをするたび、黄色い歓声が体育館に響き渡る
隣を見ると、手すりに肘をつきコートを見下ろしていた