雨恋~雨のちキミ~
※※※



「はぁ、水月先輩かっこよかったわぁー」


「はいはい」


「ちょっとぉー、流さんとってよ」


月曜日の昼休み

友達の甲斐柚羽(かいゆう)に、土曜日の話を聞かせていた

それなのに、柚羽は素っ気ない


「そんなことよりさ」


「そんなことって…。先輩をそんなこと扱いせんとってや」


「だって、うちにはどうでもえーことやもん」


先輩ネタには相変わらず冷たいし


「先輩、めちゃくちゃかっこえーのに…」


「人の好みはそれぞれ。うちには彼氏が居るから、先輩なんか興味ない」


手のひらを左右に払い、あしらわれる


「もうすぐ、付き合い始めて1年やっけ?」


柚羽には中学時代から付き合ってる彼氏が居るらしい


「うん、そー」


「相変わらずラブラブ?」


「………ま、一応。することはちゃんとしてるけど…、後は千賀のご想像に任せるわ」


え………

『することちゃんとしてる』って…

え、もしかしてやけど

もしかしてやけど

やっぱ、その男女の営みというか…

その手のやつ、やんね…?


カァッと顔が熱くなる


「ぶっ、アンタ顔真っ赤。何想像してんの」


俯いたあたしの顔を覗き込み、柚羽がお腹を抱えて笑い出した
< 4 / 90 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop