雨恋~雨のちキミ~
「ちゃうちゃう。そーゆー意味ちゃうねんて」
先輩、犬みたい
コロコロ変わる表情が可愛くて
先輩に、しかも男の人に『可愛い』なんて失礼かもしれないけれど
あたしより、先輩の方が可愛いやん
学校でいつも見ているキラキラした先輩とは違う部分が見ることが出来て、それだけで幸せ
それなのに、彼女にまでなれるなんて
「去年のこと、覚えてる?」
どこか遠いところに意識が行っていたらしく
先輩の言葉で、現実に引き戻された
「去年のこと………ですか?」
1歳違いのあたしと先輩
去年、あたしが居ない時の先輩はどんな感じだったんだろう
「うん。バスケ部は1年が後片付けしなあかんくって…。その日は遅くなったから、片付け終わってから皆でファミレスでご飯食べて帰ってたんやんか」
先輩の言葉に黙って相槌を打つ
「そしたら、土砂降りの中でびしょ濡れになって歩く子を見つけてん」
「え───」
それって…
「最初はどうしようか悩んでんけど、やっぱり放っとかれへんくって声掛けてん」
覚えてる
突然後ろから呼びかけられて、すぐ真横で自転車のブレーキの音がして
怖くて無視して歩いたこと
スッと傘を差し出されて、顔を向けると優しい笑顔があったこと
先輩、犬みたい
コロコロ変わる表情が可愛くて
先輩に、しかも男の人に『可愛い』なんて失礼かもしれないけれど
あたしより、先輩の方が可愛いやん
学校でいつも見ているキラキラした先輩とは違う部分が見ることが出来て、それだけで幸せ
それなのに、彼女にまでなれるなんて
「去年のこと、覚えてる?」
どこか遠いところに意識が行っていたらしく
先輩の言葉で、現実に引き戻された
「去年のこと………ですか?」
1歳違いのあたしと先輩
去年、あたしが居ない時の先輩はどんな感じだったんだろう
「うん。バスケ部は1年が後片付けしなあかんくって…。その日は遅くなったから、片付け終わってから皆でファミレスでご飯食べて帰ってたんやんか」
先輩の言葉に黙って相槌を打つ
「そしたら、土砂降りの中でびしょ濡れになって歩く子を見つけてん」
「え───」
それって…
「最初はどうしようか悩んでんけど、やっぱり放っとかれへんくって声掛けてん」
覚えてる
突然後ろから呼びかけられて、すぐ真横で自転車のブレーキの音がして
怖くて無視して歩いたこと
スッと傘を差し出されて、顔を向けると優しい笑顔があったこと