雨恋~雨のちキミ~
「えっ…あ、いや………。そんな………」


「千賀には刺激が強過ぎた?アンタ、貴重やなぁ。今時、幼稚園児でもキス済ませてる子とか居るんやで」


「よっ、幼稚園児!?」


幼稚園児って、何歳やっけ?


「先輩先輩言っとかんと、早く彼氏の1人でも見つけて、することしたらえーのに」


腕組みしてそこに顎を乗せ、下からあたしを見上げる柚羽の視線に耐え切れず、膨れたままそっぽを向いた


「あたしは、水月先輩がえーの」


「先輩って、ファンクラブあるやん。先輩が誰かを好きになって付き合うならともかく、一方的やとファンクラブの人らが黙ってへんやろ」


それは分かってる


「先輩はアイドルみたいなもんやから、彼氏は別に作った方がええって」


「………」


「里中くんは?」


「なっ、何でそこで里やんが出てくるん?!」


「自分ら仲いーやん」


「里やんとは、中学が同じやから…」


あたしは水月先輩を追いかけてこの高校を受験した

合格発表の時たまたま里やんと出会って、彼もこの高校に志望したことを知ったぐらい

中学の頃はそんな程度で

仲良くなったのは、高校に入ってこの2ヶ月の間
< 5 / 90 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop