雨恋~雨のちキミ~
今更………作ってくれとは言いにくいよな…
中学生の頃
朝の4時から起きてお弁当作りや家事をこなして
朝7時半に出て電車で通勤して
夜8時頃に仕事から帰ってきて、大急ぎで晩ご飯の準備をするお母さんが可哀相で
『お弁当要らんよ』
そう言った時に見せたホッとした表情
お母さん自身は気付いていないと思うけれど
少しは負担を減らせたかな、と思うと子供心に嬉しかった
だから、今更『作って』とは言えない
「いい匂いやな」
先割れスプーンでカツを突き刺し、頬張りながら思いを巡らせていると
突然、斜め前から声を掛けられた
顔を上げると、そこには
「みっ、水月先輩っ!」
突然の出現に口の中のカツが飛び出しそうになり、慌てて口元を押さえた
向かいに座る柚羽も、横目で水月先輩を凝視している
「俺もカツカレーにしたら良かった」
ニコッと笑われ、LINEの続きがなくて落ち込んでたことなんて一瞬でどこかに吹き飛んでしまった
「あれ?自分ら知り合い?」
あたしの隣に座る人は、昨日体育館に向かう途中に見かけた
水月先輩と一緒に歩いていた人だ
「知り合いっていうか………彼女?」
お友達の発言にサラッと答える水月先輩
その内容に、あたしも柚羽も先輩のお友達も食べているものを吹き出しそうになる
中学生の頃
朝の4時から起きてお弁当作りや家事をこなして
朝7時半に出て電車で通勤して
夜8時頃に仕事から帰ってきて、大急ぎで晩ご飯の準備をするお母さんが可哀相で
『お弁当要らんよ』
そう言った時に見せたホッとした表情
お母さん自身は気付いていないと思うけれど
少しは負担を減らせたかな、と思うと子供心に嬉しかった
だから、今更『作って』とは言えない
「いい匂いやな」
先割れスプーンでカツを突き刺し、頬張りながら思いを巡らせていると
突然、斜め前から声を掛けられた
顔を上げると、そこには
「みっ、水月先輩っ!」
突然の出現に口の中のカツが飛び出しそうになり、慌てて口元を押さえた
向かいに座る柚羽も、横目で水月先輩を凝視している
「俺もカツカレーにしたら良かった」
ニコッと笑われ、LINEの続きがなくて落ち込んでたことなんて一瞬でどこかに吹き飛んでしまった
「あれ?自分ら知り合い?」
あたしの隣に座る人は、昨日体育館に向かう途中に見かけた
水月先輩と一緒に歩いていた人だ
「知り合いっていうか………彼女?」
お友達の発言にサラッと答える水月先輩
その内容に、あたしも柚羽も先輩のお友達も食べているものを吹き出しそうになる