雨恋~雨のちキミ~
「俺が質問してるのに、質問で返されてばっかやな」


「あ………ごめ…」


「自分…里中と仲良いから、何で男バスなんか見に来てるんかと思ってた。里中とは付き合ってへんって言ってたし、ただ単にバスケが好きで見に来てるんかなとか…色々考えてんけど…」


そこであたしから廊下へと視線を移す


「自分………水月先輩のこと好きなん?」


「え…」


ここで『好き』と答えたら

『先輩と付き合っている』と答えたら、どう思われるだろう

同じ部活の塩野くんなら、先輩にファンクラブがあることも知っているかもしれない

抜け駆け禁止の掟があるのに非常識だと思われるだろうか

もし彼の口が軽くて、誰かに言いふらしたりしたら…

里やんと噂になっているみたいに先輩と噂になったら………

それとも、水月先輩のファンだと言えば納得してくれるだろうか


「あの………」


色んな考えが頭の中をグルグル回ってちゃんと言葉に出来ないでいると

廊下に楽しそうな声がこだまする

その賑やかな声は徐々に大きくなり、そのままこの教室までやって来た


「遅なってごめーん!」


「うちら何したらいい?」


顔を覗かせたのは、同じ掃除当番の子達
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