雨恋~雨のちキミ~
「遅いわ。俺教室の床掃いてるし、恵は机拭いてくれてるから、自分らは黒板の掃除か廊下の掃き掃除してや」
それまでの重苦しい雰囲気がなかったかのように
明るい声で2人に声を掛ける塩野くん
「じゃあ、私廊下掃く!」
「ちょっ、アカンって!うちも廊下がいいし!黒板綺麗にするのしんどいから嫌や!」
「んじゃ、じゃんけんしよーや。最初はグー」
「「じゃんけんほい!」」
2人のやり取りを見守っていると、同じように彼女達を見ていた塩野くんがほうきで床を掃除しだした
ボーッと突っ立っているわけにもいかず、教卓の上に先輩から貰ったクッキーを置いて雑巾を水で濡らし机を拭き始めた
「やった───っ!勝ったぁ───!」
ぎゃいぎゃいと賑やかな声を聞きながら、頭の中で塩野くんの言葉を反芻する
『自分………水月先輩のこと好きなん?』
『好き』
そう答えて、先輩に迷惑は掛けないだろうか…と
先輩………
あたし、先輩の彼女って
皆に公言していいんですか?
キュッと下唇を噛み締め、塩野くんが掃いてくれた場所の机から椅子を下ろし
力を入れて机を拭いていく
塩野くんが何度もあたしを見ていたことも気付かずに───
それまでの重苦しい雰囲気がなかったかのように
明るい声で2人に声を掛ける塩野くん
「じゃあ、私廊下掃く!」
「ちょっ、アカンって!うちも廊下がいいし!黒板綺麗にするのしんどいから嫌や!」
「んじゃ、じゃんけんしよーや。最初はグー」
「「じゃんけんほい!」」
2人のやり取りを見守っていると、同じように彼女達を見ていた塩野くんがほうきで床を掃除しだした
ボーッと突っ立っているわけにもいかず、教卓の上に先輩から貰ったクッキーを置いて雑巾を水で濡らし机を拭き始めた
「やった───っ!勝ったぁ───!」
ぎゃいぎゃいと賑やかな声を聞きながら、頭の中で塩野くんの言葉を反芻する
『自分………水月先輩のこと好きなん?』
『好き』
そう答えて、先輩に迷惑は掛けないだろうか…と
先輩………
あたし、先輩の彼女って
皆に公言していいんですか?
キュッと下唇を噛み締め、塩野くんが掃いてくれた場所の机から椅子を下ろし
力を入れて机を拭いていく
塩野くんが何度もあたしを見ていたことも気付かずに───