聖夜の鐘
エディとレイラが出会ったのは、エディが16、レイラが15歳の時だった。
同じハイスクールに通う二人は、偶然知り合い、その数ヶ月後からつきあうようになった。
明るくて社交的なエディは、勉強も出来てスポーツも得意ということから女の子からの人気も高かった。
一方、レイラは、本を読んだり詩を書くことが好きという内気な女の子。
見てくれも特に良いということはない。
そんなレイラがエディとつきあい始めたというニュースは、瞬く間に学校中に広まった。
皆、一様に信じられないといった感想を漏らし、未だかつて注目されたこと等なかったレイラは一躍時の人となった。
ちょっとした中傷やいやがらせもあるにはあったが、レイラはそんなことは少しも気にならなかった。
なぜならば、そんな時にはいつもエディがかばったり慰めてくれることが嬉しく、そして、なによりも彼と一緒にいられることが楽しかったから。
*
*
*
「レイラ、どうかしたの?」
「えっ?……い、いえ、なんでもないわ。
ちょっと昔のことを思い出していただけ…」
不意に顔をのぞきこまれ、レイラは慌ててそう答えた。
「昔のことかぁ…
ねぇ、レイラ…考えてみたら、僕達が一緒に過ごしたのはほんの少しの間だけだったよね。
クリスマスを一緒に過ごしたのも、一度きりだった。
不思議だよ。なのに、こんなにも君にひかれてるのが…」
「本当ね。
普通ならすぐに忘れてしまいそうなのに、あなたはずっと私の心の中から離れなかった。」
「……僕も同じさ。君を忘れることはとうとう出来なかった。
……あ、あれだ!確か、鐘はあの坂道をずっと上がった丘の上にあるあそこだよ。」
エディは、遥か遠くの丘に見えるうっすらとした輪郭を指差した。
「町からはずいぶん遠いのね。」
「良いじゃないか。
夜はまだ長いんだ。
いろんなことを話しながら、ゆっくり歩いていこうよ。
……レイラ、寒くないかい?」
「ええ、私は大丈夫よ。
あなたは寒くない?」
「君と一緒なら、寒いはずなんてないだろ?」
そう答えたエディの鼻の頭が赤くなってるのを見て、レイラは彼に気付かれないように微笑んだ。
同じハイスクールに通う二人は、偶然知り合い、その数ヶ月後からつきあうようになった。
明るくて社交的なエディは、勉強も出来てスポーツも得意ということから女の子からの人気も高かった。
一方、レイラは、本を読んだり詩を書くことが好きという内気な女の子。
見てくれも特に良いということはない。
そんなレイラがエディとつきあい始めたというニュースは、瞬く間に学校中に広まった。
皆、一様に信じられないといった感想を漏らし、未だかつて注目されたこと等なかったレイラは一躍時の人となった。
ちょっとした中傷やいやがらせもあるにはあったが、レイラはそんなことは少しも気にならなかった。
なぜならば、そんな時にはいつもエディがかばったり慰めてくれることが嬉しく、そして、なによりも彼と一緒にいられることが楽しかったから。
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「レイラ、どうかしたの?」
「えっ?……い、いえ、なんでもないわ。
ちょっと昔のことを思い出していただけ…」
不意に顔をのぞきこまれ、レイラは慌ててそう答えた。
「昔のことかぁ…
ねぇ、レイラ…考えてみたら、僕達が一緒に過ごしたのはほんの少しの間だけだったよね。
クリスマスを一緒に過ごしたのも、一度きりだった。
不思議だよ。なのに、こんなにも君にひかれてるのが…」
「本当ね。
普通ならすぐに忘れてしまいそうなのに、あなたはずっと私の心の中から離れなかった。」
「……僕も同じさ。君を忘れることはとうとう出来なかった。
……あ、あれだ!確か、鐘はあの坂道をずっと上がった丘の上にあるあそこだよ。」
エディは、遥か遠くの丘に見えるうっすらとした輪郭を指差した。
「町からはずいぶん遠いのね。」
「良いじゃないか。
夜はまだ長いんだ。
いろんなことを話しながら、ゆっくり歩いていこうよ。
……レイラ、寒くないかい?」
「ええ、私は大丈夫よ。
あなたは寒くない?」
「君と一緒なら、寒いはずなんてないだろ?」
そう答えたエディの鼻の頭が赤くなってるのを見て、レイラは彼に気付かれないように微笑んだ。