君に捧げる花束を
「あれ、まりあどうかしたの?」
「うーーーん…。」
肩をポンポン叩いてみたけれど、上の空。
そういえば、朝からずっとこんな感じだ。
シャーペンをカチカチして、どこを見ているかわからない顔でぼーっとしている。
「ほんと、どうかし…」
「あの…、柊さん。」
突然声をかけられて、まりあの肩がぴくーーーん!!と飛び上がった。
勢い良くシャーペンを置くものだから、長く飛び出ていた芯がぽきんと折れて、野風の額に刺さった。
野風の非難がましい視線を無視して、まりあは話しかけてきた人物に体ごと勢い良く向き合った。
清花もまりあの向く視線をたどって目を向けた。
だがいくら視線を上げても肝心の人物の顔にたどり着けない。
とうとう首を動かして上を見上げると…
そこには、自分より遥かに高い巨人が。
糸目の塩顔で、優しそうな感じの男の子
んん?この人どこかで見た事あるような…
「町田くん!!」