君に捧げる花束を
町田…君……。
あ……。
弓道の大会にいた、あの人だ!
背が高くて、弱い弓を引けなかったっていう。
近くで見ると、本当に、デカい……。
「こないだ言ってたCD、持ってきたよ…。」
体の大きさに反して、声がめちゃめちゃ小さい。
「あっ…あ、ありがとッッ!!」
まりあは顔を真っ赤にしてそれを両手で受け取った。
「すぐ返すから!!」
「ゆっくりでいいよ。」
彼はそういって教室から出ていった。
まりあは受け取ったCDを、まるで家宝みたいに握り締めて、本当に嬉しそうにそれを見つめている。
これはもしや…。
「恋だね。」
野風がお得意のやらしい笑みを浮かべて、まりあをにやにやと見上げると、いつもお淑やかで冷静なまりあが顔をイチゴ並みに真っ赤にして、野風を睨みつけた。
「うっ……るさぁーーいっ!!」
四十日目ーー。
大事な友達に、大事な人ができたみたいです。