君に捧げる花束を
息を切らし、かすれ声がもっとかすれ声になってて、声になってなかったけど、函南君は足を止めて、振り向いてくれた。
追いつくと、声を整えるために何回か咳をして。
あ…。
カバンの横から覗く、清花のお手製キーホルダーが、きらきら光を反射しながら揺れていた。
「改めて、お誕生日おめでとう!」
「…さんきゅ。」
「あのね!函南君!」
ごくっと喉がなる。
「一緒に…帰らない?」
「…部活があるから。引退前の。」
あ…。
「そ、そっかぁ…呼び止めてごめんね…」
笑おうとしても、無駄に期待してただけに、ちょっとショックが大きい。
「………んくっ…げほっ…げほ…。」
おまけに息を整えようとして、変なふうに息を吸ってしまったらしく、咳が止まらない。
苦しくて涙まで滲んできた。